また君に恋をする
エンジン音。
雑音。
人声。
騒がしい街中を裸足で歩く空。
フラフラした足取り焦点の合わない瞳。
「空。」
道路の反対側から空を呼ぶ忠義。
その声さえ耳に届かない。
「空。空。待てや。」
空を慌てて追いかける忠義。
プップー。
鳴り響くクラクション。
車が通り抜ける道路を強引に渡る。
「空。」
空の手を掴む忠義。
「…。」
涙で濡れた顔で振り向く。
「どうしてん?」
思わず空を抱き寄せる忠義。
必死に忠義の服にしがみつく空。
「どうしてん?何で裸足なん?」
忠義の問いに何も答えない空。
ただ涙を流す空。