また君に恋をする
はぁ。はぁ。
息をきらし走る那智。
堪えていた涙が溢れ出す。
章大を確認すると後ろに周りこみ涙を拭う那智。
「…返してきた…。」
震えた声。
章大の横のブランコへと腰を掛ける。
「それで良かったん?後悔せん?」
ブランコをこぐのを止め那智へと目を向ける。
「…わからへん…。
せやけどこれで良かったんやって思いたい…。」
俯く那智。
「そうか。じゃあ。この話しはお終いや。」
ブランコを降り那智のブランコの前にかがむ章大。
那智と目線を合わせる。
「泣いてたん?」
那智の顔に触れる章大。
「泣いてなんかない。
もうあいつのためなんかに泣かひん。」
目をこする那智。
最後の意地を張る。
「そうか。せやったらこれ飲んで忘れろや。」
那智に缶ビールをわたす。