また君に恋をする
動揺
何処からか鳴り響く救急車のサイレン音。
買い物袋を両手にぶらさげ歩く隆平。
その後ろをふざけて歩く章大と忠義。
「ケーキ無事やろうな。」
ふざけあう二人に見かね声をかける隆平。
「大丈夫やって。」
ケーキ箱を大事そうに抱える忠義。
「ならええねん。」
「博貴 ビックリするやろうな?」
笑顔で話しかける章大。
「だろうな。ほんまに隆平はブラコンやもんな。」
悪戯な笑みを浮かべる忠義。
「もうお前らうっさいわ。ブラコンの何が悪いねん。」
忠義を睨む。
「いや。悪くないねんけど。」
隆平から目を逸らす。
「二人ともやめいや。なっ。あれ何かあったん?」
指をさす章大。
その先には人だかり。
救急車が止まっている。
担架に乗せられてる少年。
「博貴。」
血の気が一気にひく。
駆け出す隆平。
その後ろを追う章大と忠義。