また君に恋をする


青い光。
ブクブクと生まれては消えていく泡。
幻想的に輝く水の中
楽しそうに泳ぐイルカ達。
じっと大水槽を見つめる章大の姿。
   

「章大。」


声がするほうを振り向く章大。
   
「捜したやん?後ろ振り返ったらおらひんのやもん。」

ふくっれつらの那智。
   
「ごめん。ごめん。」
   
「章大がイルカ好きなんて初めてしったわ。」

必死に謝る章大に呆れた顔をする那智。
   


「なぁ。知ってる?」



イルカの水槽を見つめる章大。
   
「イルカって超音波を出すことで危険を察知するんやで。それだけやなくて遠く離れた仲間とも超音波で会話できるねんで。ええよな?僕にもそんなこと出来たらええのに。そしたらすぐにかけつけられるやろ?」

振り向く章大。
   

「那智は泣き虫やから。」


赤くなる那智の頬。
   
「なんてね。」

照れ隠しのように悪戯に笑う章大。
   

「何いうてるん?そう言う事は彼女だけにしか言うたらあかんで。」


章大に背を向け歩き出す。

   






「何やってるんやろう?」

人に聞こえないような小さな声で呟く章大。
もう一度イルカに目を向ける。
   
「待ってや。」

慌てて那智を追いかける。





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