また君に恋をする
誰もいない公園。
街灯の明かりの下ベンチに腰をおろす仁。
「飲めや。」
水の入ったペットボトルを差し出す章大。
「俺はお前みたいになれねぇよ。」
呟く仁。
ペットボトルの水を一口飲む仁。
「僕やってお前みたいになれひんわ。」
仁の横に座る章大。
「何でお前はいつも冷静なんだよ。」
喧嘩ごしな言葉。
「そう見えるだけや。僕やって必死や。理性保つためにな。」
「理性って?お前。」
章大の胸倉を掴む。
「那智は何とも思ってひんよ。下心があるうんは僕や。」
両手をあげ降参ポーズをとる章大。
「知ってたよ。」
章大から手を離す仁。
「知ってた。那智とつき合う前から。」
俯く仁。
「そうやろな。殴られたときそう感じたわ。」
口元をさわる章大。
黙り込む仁。
「安心せいや。那智は今でもお前のこと好きやで。」
「どうだろな。フラれたんだよ。俺。」
遠くを見つめる仁の視線。
黙ったまま時だけが過ぎていく。