また君に恋をする
階段を下る二つの足音。
大きな陰と小さな影の追いかけっこ。
不意に立ち止まる空。
「どうしたん?」
不思議そうに空の顔を覗き込む。
「夕日。綺麗やなって。」
西の空が真っ赤に色づく。
「ほんまやな。なぁ。空。」
「何?」
振り向く空。
「そのデコどうしてん?」
デコに貼られたバンソコ。
一瞬のぞかせる冷たい瞳。
「これ???よそ見して歩いてたら柱にぶつけてん。」
明るく振舞う空。
「ほんまやな?嘘ついてひんよな。」
空を見つめる。
「嫌やな。嘘なんかついてどうすん。」
ぎこちない笑顔。
「何かあったらいつでも言いや。」
心配そうに空を見つめる忠義。
「ほんまに忠義は心配性やな。」
忠義に背を向け階段を下りだす。
空の後姿から目を離せない忠義。