また君に恋をする
憎愛
泣き疲れ眠る博貴をベッドへと運ぶ。
ギュッと服を握る手をそっとはずし布団をかけてやる隆平。
隣に座り小さな博貴の手を握る。
「ごめんな。」
一言呟く今にでも泣きそうな声。
博貴の寝顔をしばらく見つめる。
涙で濡れた博貴の頬にそっと手で触れる。
「もう。兄ちゃん疲れたよ。」
正気を失う隆平。
博貴の首へ手をかける。
「ごめん。」
泪が頬を濡らす。
苦しそうにもがく博貴。
ピーポン。ピーポン。ピーポン。
鳴り響くベルの音。
ハッと我に返る隆平。
博貴の首元から手を離すと玄関へとかけていく。