また君に恋をする
悲しみの愛
荒い呼吸。
手に握られたナイフ。
乱れた服装
冷たく凍りついた瞳。
その視線の先に横たわる男の姿。
力なく握っていたナイフが床へと落ちる。
「…お父ちゃん…。」
父親の身体を揺さぶる空。
「お父ちゃん。お父ちゃん。」
まだ温かい父親の亡骸。
父親の胸に耳をあてる。
動くことのない心臓。
「…ごめん…。もう…疲れてん…。」
真っ赤に染まった両手を見つめる空。
「うわああああああ。」
父親を殺してしまったことを自覚する。
叫び狂う空。