また君に恋をする
「空。空。空。」
必死に呼びかえる忠義。
携帯を持ったまま呆然とする忠義。
「忠義。どないしたん?」
血の気のない顔を心配するし
忠義を見つめる章大。
「…空が…空が…父親を殺してもうたって…。」
凍りつく空気。
一瞬時間が止まる。
「こんなとこで何してんねん。行けや。空ちゃん捜しに行けって。」
真っ白になる頭を必死に呼び戻すと
忠義の身体を玄関へと向ける。
「しっかりせいや。」
後ろから忠義の背中を叩く。
「行ってくる。」
乱暴に扉を開けると外へと飛び出す。