また君に恋をする
静まり返った部屋の片隅に座る那智。
章大の大きい服を身にまとい俯いたまま。
タオルを那智へと手渡す。
机の上の楽譜やビールの空き缶を慌ててかたす章大。
タオルを握る手に力が入る。
「ふかな風邪ひくで。」
那智のタオルを取り上げ那智の頭をふく章大。
「…ごめん…。邪魔してもうて…。」
今にも消えそうな声。
「ええよ。そんなこと気にするなや。」
タオルを那智に渡しポットへと歩く。
「…せやけど…。」
唇を噛み締める那智へ
ホットコーヒーを差し出す章大。
「飲めや。温まるで。それに少しは落ち着くやろ。」
那智の横に腰をおろす。
「…ごめん…。」
カップを両手で握り締め呟く。
口にすれば冷え切った身体を温める。
「さっきから謝ってばっかやん。泣けや。我慢せんと泣けばええやん。」
那智の肩を抱き寄せる章大。
「悲しいんやろ?辛いんやろ?せやったら泣けばええねん。泣けや。」
堪えていた涙が溢れ出す。
大粒の涙が頬をつたう。