また君に恋をする
晴れわたった空。
廊下に差し込む光。
小さな手。
扉を叩く博貴。
「忠たん。忠たん。」
両手で力いっぱい扉を叩く。
その手は微かに赤く色づく。
「おらんへんの?博たん来たんに。」
大声で呼びかける。
うっすらと開くドア。
「忠たん。」
開いた扉の隙間から笑顔をのぞかせる博貴。
「一人で来たん?」
赤く腫れた目。
かすれ声の忠義。
「ううん。章たんと。」
アパートの下を指差す博貴。
玄関から出ると博貴の指差したほうへ目を向ける。
そこには気まずそうに立っている章大の姿。