其の名はＴ・Ｙ

第２話「わたしとＴ・Ｙ」

あのねお母さん、すごかったんだよ！本当にすごかったの！

「あら、お帰りなさい。どうしたのミヨちゃん？そんなに興奮して、ってあらあら！こんなに汚して帰ってきて」

そんなことはどうでもいいの！あのね、あのね！

「どうでもよくないでしょ、洗濯するのはお母さんなんですからね。ほら、着替えて着替えて」

はぁい。

「それで、どこで遊んできたの？こんなに…あら？なにこれ」

あ、それそれ！「めいし」っていうんだよ！

それでね、その人がすごかったの！もうおはなししてもいい？

「あ、こら、パジャマちゃんと着なさい。はい、それでどうしたの？どこで拾ったの？こんなもの」

あのねあのね！今日学校からかえるとちゅうで黒いメガネをかけた黒いふくのおじさんが

「ミヨちゃん！お父さんが大変なんだ！おじさんはお父さんの会社の人なんだけど、すぐに来てくれ！」

って言ったのね。それで、わたしはすっごい心配だったから、そのおじさんについていったの。

「……な、なんですって…！？」