其の名はT・Y
それでね、曲がりかどを一つ曲がったら、そのおじさんと同じかっこの人が四人くらいいてね、

わたしのことを見て、にやぁ~ってわらったの!すっごいきもちわるかったの!

それでね、わたしはこわくなったから

「やっぱりうちにかえっておかあさんにおしえなきゃ!」

って言って走りだしたの。でも、すぐに足がじめんからういちゃったの。

どうなったかわからなくて、はしろうとバタバタしたんだけど、まえにすすまなくて、

うしろをむいたらさっきのおじさんにもちあげられてたの。

わたしはもっとこわくなって、すっごくバタバタしたんだけど、そしたらおじさんが

「うるさい黙れガキが!おとなしくしないと腕の二、三本ぶち折って黙らせてもいいんだぞ!」

ってどなって、わたし、いみはよく分からなかったけどいちばんこわくなって、ワンワンないちゃったの。

でもね、そしたらね、きゅうにわたしのからだがかるくなって、じめんにおちたの。

その時にころんじゃって、おようふくがよごれちゃったの。

それでね、うしろを見たら、わたしをもちあげてたひとがじめんにねててね、その横にべつのおじさんがいたの。

「別のおじさん?」

うん!あのね、こわくないおじさん!やまださん!
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