其の名はT・Y
軍本部に通信をして艦内を見やる。

ここは某国海軍所属潜水艦「オーシャンドッグ」の操舵室、私マイケル=フリンデはその通信兵である。

室内では艦長はじめ十数名のクルーが緊張した面持ちで計器を眺める。

数分前に我が艦がその影を捕らえた目標の名は「ディープデビル」

全長120m、全幅13m、8門の魚雷発射管を備えて最高35ノットで海中を突き進む

わが国においても最強の部類に入る最新鋭の「原子力潜水艦」である。


ここ、日本の領海に程近い太平洋の海中で我々が行っていた任務は

まさにこの「デビル」の捜索であった。

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