其の名はT・Y
「どこに目ぇつけとんじゃクソガキがぁ?!」

「叔父貴になにさらしとんじゃクソガキがぁ?!」

「ワビ入れんかいこのクソガキがぁ?!」

お前はクソガキ村の住人かっていうぐらいに連呼されてから気づいたんだが、

あれ?増えてねえ?

後ろにいたんだろうなあ…舎弟っつーかチンピラが二人。

宙ぶらりんの俺を持つぶっとい腕と、その横を囲むチンピラ。

ヤクザ絶対領域の完成。もう駄目、これはこの場で俺マストダイするか、アローンインザ事務所だろ。

そう思って青ざめたんだけどさ、体ってのは正直なもんで、首押さえられたら苦しいんだよね。

そんで、咳き込んじゃってさ。

ツバが、叔父貴さんの顔にいい感じにアプローチね。まあ、どう考えてももう駄目だよな。

「クソガキがぁぁぁ!」

もう遠巻きに見てた人も三歩くらいは下がったね。

俺の体は地面に乱暴に下ろされて、ゲホゲホやってる。

そこに向かって手を振り上げるマッチョヤクザ。

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