それでも君が好きだから
「え?」

え?…って?

「転入?お前、転入したのか!?」

蓮、知らなかったんだ。

そういえば、いなかったよねあの日。

「は?だってお前…」

蓮、何話してるの?

「あ、あぁじゃあ今から、駅前の…」

なるべく人が多い場所にして…。

「お前…っ!」

蓮は困った顔で私を見た。

え、何!?

何か蓮、困ってる…。

とりあえず頷いてみる。

“さんきゅ”

蓮は小声でそう言うと、再び…。

「分かった。喫茶店の横…路地裏」

ろ、路地裏!!?

ちょっと待って、どういう状況!?

「何で…まぁいい、切るぞ」

ブチッ

あのー、蓮君!?

「じゃ、行って来る」

「うん…」

何が何だか分からなくて、返事しか出来なかった。

蓮は私にそっとキスをして、公園を出て行った。
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