それでも君が好きだから
「分かった」

沙羅は安堵の溜め息をもらした。

今の返事に嘘は無い。

俺は、沙羅が好きだ。

「ありがとう…」

「もう会わないよ、こんな思いさせてごめんな」

「ううん、私こそ変な事言って…」

そんな不安な顔して…。

沙羅、まだ心配なんだな?

「…よし!」

こうでもしなくちゃ信じてくれないんだろ?

「へ?」

「今から言ってくる!」

「…?」

「今から、柚子に言ってくる。もう会わないって」

「蓮、私は?」

「…お前はここで待ってろ」

「え?…うん」

沙羅が来ると話がこじれるからな。

俺を信じて待ってろ。

「じゃ私、ここで待ってるね」

「あぁ」

俺は少し離れてケータイを取り出す。

「柚子?俺、蓮だけど」

『蓮ーっ!!?なぁに??どーしたの!!?』

うざいほどテンションが高い。

「今から話したい事があるんだ」
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