それでも君が好きだから
「柚子…」

「アンタなんか、いなきゃ良かったのに」

「……っ!!?」

男が私に顔を近付ける。

「ふふっ。メチャメチャにしてやんな!」

「「おうっ!!」」

「やっ…止めてぇぇーーーーー!!!」

泣き叫ぶ。

口にテープを付けられる。

どんなに抵抗しても無理。

私はただヤられるしかなかった。

男…平気になってきたのに…な。

また触れなくなっちゃう。

また喋れなくなっちゃう。

蓮が私の為にしてくれた事、無駄になっちゃう。

嫌だよ、こんなの。

怒りじゃない。

憎しみじゃない。

ただ、悲しみ。

酷すぎるよ。

だって、こんなに泣いてる私を見て…。

あなたは笑ってるんだもんね?

蓮、ごめん。

私…もう無理だよ。

誰も信じない。

女に裏切られて。

男に弄ばれる。

もう…消えたいよ…。

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