それでも君が好きだから
いきなり話しかけないでよ…。

「昨日の事みんなに言っちゃおっかな~?」

…は?

「…ダメッッッ!!!」

私の声は多分、隣の隣の…隣のクラスまで聞こえてただろう。

「何?どうしたの??」

「っっ!!」

私の顔は真っ赤だ。

それでも柚子は話し続ける。

「沙羅、今日一緒に帰ろ?」

「っ…うん」

これで終わりにしよう。

言いたい事全部言って。

バイバイをしよう。

それでいい。

「柚子。私、これで最後だからね」

「…沙羅の最期?」

は…?

何言ってんの?

私の最期?死ぬって事?

「あっはは、冗談だってば!」

ふざけないで。マジで怒るよ。

私は横目で柚子を睨む。

そして、一日を過ごす。

蓮は学校に来なかった。

ちょっと寂しかったけど、逆に良かったのかもしれない。

私の事だから。

自分の事は、自分で処理する。
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