それでも君が好きだから
―――ピンポーン

誰だ…?

『はぁ~~~~い♪♪』

これは姉チャンの声。

この声の甘さ…彼氏か…。

バタバタと階段を下りて行く姉チャン。

『あ~~ん遅いよぉボブぅぅ~~~☆』

ボブ…外人??

やるな姉チャン。

『は??んだよ…帰れよ!!』

え、どうしたんだ?

バタバタと階段を上って来る姉チャン。

―――バタンッ!!

「え?」

「あ、部屋間違えた」

姉チャンは俺の部屋に入って来た。

「ど、どうしたの?」

「ボブだと思ったら元カレだった」

何だそれ。くだらな…。

―――ハッ!

姉チャンは俺の考えてる事が分かるんだ!

無心でいなければ!!

~♪~♪♪

あ、俺の携帯鳴ってる。

「も゛しも゛し?」

かすれた声で電話に出る。

『…蓮?』

「沙羅!!?今日、学校行けなくてごめんなぁ。俺、今日…『痛い…っ』…え?」

沙羅の声がおかしい。声が震えている。

「沙羅?どうした?」

『刺されたの…』

「刺された…?」


『…柚子に…ナイフで……』


そこでいきなり電話が切れた。
「沙羅!!!?」

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