それでも君が好きだから
―――パチ

「沙羅!ごめんねぇ!」

「お母さん、私…」

「もういいの。何も考えないで」

「…分かった」

私は誰かを忘れた。

私の過去の一部はもう無い。

でも、お母さんはそれで良いと言っていた。

だからそれで良いんだと思う。

思い出そうとしても思い出せない。

だったらそれでいい。

私は…誰かを消した。

ごめんなさい…私の大切な人…。


私の為に涙を流してくれた人。

私の為に戦ってくれた人。

私の為に怒ってくれた人。

ありがとう。


あなたはもうここにはいなくて。

これからもきっといないよね。

でも私はあなたに救われました。

何度も何度も。

あなたに直接お礼は出来ないけど、心から感謝しています。

ありがとうございました。

…さようなら。

大好きだった人…。

「さようなら!」






END☆・。・。・。・。・。・。



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