それでも君が好きだから
私は、保健室での出来事を実紅に話した。
実紅は黙って聞いてくれた。
私が倒れないように、支えてくれていた。
私が話し終えると、実紅は口を開いた。
「沙羅…良く頑張ったね。
沙羅が男の子苦手なの…沙羅のせいじゃないんだよ?
だから無理しなくて良いから……
辛かったらいつでも私のとこおいで??
私、精一杯沙羅のこと守るから…」
治まったはずの涙が、また溢れてきた。
…止まらなかった。
「ありがとう…実紅っっ……」
私は実紅の胸で泣いていた。
「っ…実紅」
「大丈夫、沙羅?」
「ちょっと…屋上、行って来る」
「一人で大丈夫?授業は?」
「大丈夫…授業は、サボる…」
「そっか、先生には私が上手く言っておくから」
「ありがとう…」
「うんっ」
実紅、本当にありがとう…。