それでも君が好きだから
*過去*


「海塚君っ、おはよう!」

「おはよ、沙羅」

―――ちゅっ

「あっ、見て?美男美女カップルの登場だよ」

「きゃホントだ!可愛ぃ~~」

「桐谷サマぁぁ☆」

「沙羅ちゃぁぁん★」

「「おはよう」」

「きゃぁぁぁぁ~~!!」

沙羅にとってこれが普通だった。

でも、付き合い始めてから3週間…。

「沙羅ぁ」

「ん?どうしたの桐谷」

「お金貸してくんない?」

「え、何で…?」

「俺…親父の金、間違って使っちゃってさぁ、

今すぐ返せって言われてんだよね」

「親父さんの…?」

「うん、で20万貸してくんない?」

「に…20万!?そんな大金…」

「すぐ返すから!!頼むよ、じゃないと俺…」

「…分かった!私が何とかするよ、桐谷!」

「本当か!?マジありがとう、沙羅愛してる!!」

「えへへ、私もだよ」

でも、どうしようお小遣いは月6000円だし…。

…そういえば家のタンスにお金があったような……。
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