それでも君が好きだから

―――パシッッ!!

「痛…お父さんひど過ぎ…」

「ふざけるな!!父さん達はお前をそんな風に育てた覚えは無いぞ!!!」

むかつく。

「てか超痛いんだけど、謝ってよ」

「お前って奴は…!!」

「もう良いって。うざいよ、本当」

「沙羅!待ちなさい!!」

「言っとくけど帰ってくるから、ちゃんと飯用意しといてね」

「沙羅!!!」

そう言って私は、家を飛び出した。

急いで桐谷に電話する。

「…あっ桐谷?今からお金渡したいんだけど…」

『マジ!?じゃあ家の前で待ってる』

「分かったぁ…うん、じゃあ後で」

桐谷…喜んでくれてた。

桐谷の為なら何でもする!!

桐谷…もっと、私を求めて…。


家の前に愛しい人が見える。

「沙羅!」

「桐谷!」

こうして、私の家のお金は次々に桐谷へ渡っていった。

それでもまだ、私は気付かなかった。
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