それでも君が好きだから
「おはよ!」
「…来たよ、宮森 沙羅」
「え?」
「沙羅」
「あっ、おはよ!明菜 akina」
「ちょっと面(ツラ)かしな」
「え、何で?」
「いーから来いって」
何?ちょっと待ってよ!!
体育館倉庫に連れてかれた私。
何なの?あんなに優しい明菜が怖い。
「…あんた、桐谷に別れようって言われてんでしょ」
「は?何それ、言われてないし…」
「嘘付くなよ!!!」
明菜の友達が私に怒鳴る。
え、僻(ひが)み…ですか?
「だって明菜、桐谷と両想いだもん」
「!!?」
は…?
「それでね、桐谷は私明菜と付き合いたいんだって」
「何それ…」
「でも、あんたが別れてくれないって…
桐谷が言ってんだよ!!」
桐谷?嘘でしょ…?
「さっさと桐谷と別れろよ!!」
嫌だ…こんなの…。
「沙羅」
「…!?桐谷っっ」
桐谷言って!私と愛し合ってるって!!
「沙羅、いい加減別れてよ、お前しつこ過ぎ」
「!?」