それでも君が好きだから
城崎が私の目の前に立っていた。
邪魔だよ、どっか行ってよ。
「…」
え、無言?あんなに啖呵切ってたくせに。
「何??」
とりあえず聞いてみる。
返事は無し。私は城崎から目を逸らした。
でも視線を感じる…
イライラ…イライラ…
「どっか行ってよ!!」
いい加減にしてっ!!
「何で?ここ俺の席なんだけど」
……は??
「え?そうなの?」
「あぁ、てかあんた名前は?」
「へ?…あ、私は宮森沙羅」
私の隣?そっか、普通隣の席は男だもんね。
思えば、私は高校になってから隣がいなかった。
何かと先生に理由つけて、隣をずっと空席にしてもらってた。
でも今回は、他に空いてる席が無かったので仕方ない。
「一時間目は数学だぞ用意しておけよー」
「はぁ~い」
「じゃ、HR終わりまーす」
仕方…ないけど。