それでも君が好きだから
机の上にあぐらをかいて、大声で笑っている美月。

さっきとは大違いだ。

「へ?あっ!蓮くんっ…」

「ゴメンね。さっきの話、今言ってくれないかな?」

「は?あぁ!はいっ!!えっとぉ…」

緊張し過ぎ。まぁ、話の内容は大体分かるけど。

「っ…えとぉ…」

美月は動こうとしない。

あ゛ぁーーーもうっ!!

「美月!来い!!」

みんながこっちを見る。

「えっ…!!?あ、はい…っ」

美月は顔を赤くして、大人しく近付いてきた。

俺は美月の手を引いて教室を出る。

その時、後ろに沙羅がいた事に、俺は気付かなかった。

「美月」

「はいっ!」

「どこで話したい?」

「えっと…裏庭…」

「了解、行くよ」

「…はいっ!!」

ここまでの会話が沙羅に聞かれてた事も、俺は知らない。

運悪く誤解されやすい会話だったのに…。


~裏庭~

「ここでいい?」

「…はい」

美月は顔を真っ赤にし、俯いてる。

「じゃあ、どうぞ」

「つ…付き合って、欲しいんです…」

「…」

「ずっと、好きでした…っ」

やっぱり思った通り。

「悪いけど、俺…好きな奴いるから」
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