それでも君が好きだから
―――ズキン

「何だよ蓮。今日、ノリ悪くね?」

「別に」

「…じゃあ、1時間後にここで!」

「分かった、後でね」

そう言ってスタスタと行ってしまう実紅と優真。

「蓮、どこ行く?」

「……え?」

蓮、上の空。

今日、やっぱりおかしいよ…。

「蓮!蓮ってば!!」

「…聞こえてる」

「じゃあ何でっ…目、見てくれないの!?」

「…」

「さっきから、蓮…違う事考えてる!!一緒にいるのに…気持ちがすれ違ってる!

手m私といても、楽しくないんだね…」

「…沙羅」

「私、もう帰る…」

「待てよ、俺は…っ」

「聞きたくない!!」

蓮は私の腕を掴んだ。

「離してよ!私はもう…っ」

「いいから」

蓮の力には勝てるはずもなく、黙ってついて行く。

目の前には…。

「観覧車…?」
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