それでも君が好きだから
★蓮★

今日は待ちに待ったデート。

まぁwだけど、初デートだ。

前日の夜は不覚にもドキドキして眠れなかった。

何か格好悪い俺。

そして日曜日。

俺は格好良い服でキメて、家を出た。

仮の恋人の頃、1度だけ沙羅の家に行ったことがある。

もちろん俺はそれを覚えてる。

んで、沙羅の家のインターホンを押す。

沙羅は飛び出して来た。


―――すいません。

可愛すぎます。

俺は、照れすぎて冷たい態度を取ってしまった。

はい、ツンデレって奴ですよ。

沙羅は案の定「何こいつ」的な顔をしてる。

俺、こんなんでもつのかな…?

取りあえず、あいつの顔を見ないように、手を握る。

「…っ蓮」

「何?」

「手、痛いよ…?何で急いでるの?」

俺はハッとして、手を緩める。

「…今何時?」

「へ?…9:30」

「間に合わねぇだろ、急がねぇと」

…くだらねぇ。

別に時間に遅れるぐらいどーでも良いのに。

俺はただ、沙羅と一緒にいたいのに。

でも、照れて、冷たくして。

あぁ…俺って最低。
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