それでも君が好きだから
唯一喋ったのが。

「蓮?キップ違くない?」

「え…まじだ」

「何やってんの蓮!あははっ」

「…うるせぇよ」

はい、冷たいですね、俺。

「あは…、…っごめん…」

気まずそうに謝る沙羅。

本当、俺こそごめんなさい。


そして15分遅れで待ち合わせ場所に。

あいつらはもういた。

沙羅は実紅と優真に挨拶してた。

俺も、ちょっと沙羅と話せた。

ちょっと、だけ。

「優真君、こんにちは~」

「おっす、君付けしなくていいよ」

「うんっ」

うざ…優真なんかどうでも良いだろ?

「蓮、行こっ?」

「…」

俺は思わず無視。

「…蓮?」

不安そうな顔をする沙羅。

「ん?どうした沙羅」

「どうしたって…今、私呼んだよね?」

「え、マジ?聞こえなかった」

聞こえなかったフリをする。

「うっ、ううん気にしないで!行こう」

「あぁ」

その後も結構、積極的な沙羅にドキドキしながら過ごした。

しばらくして…優真が。

「じゃあさ、別行動しよ~ぜ」

「うんっ!良い?沙羅」

「うん、私は別に」

「蓮は?」

「別に…どーでもいい」
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