それでも君が好きだから
「ん?どうした柚子」

「…喉渇いたー。何か買ってきて」

「は?…しょーがねぇな」

「あっ、俺も行くよ」

優真が蓮に声をかける。

「おう」

「沙羅、私ちょっとトイレ行ってくるね」

「分かった、実紅」

私と柚子さん。

気まずい…。

「沙羅ちゃん」

「は、はい」

「蓮と仲良くやってる?」

「え?えぇ…まぁ」

柚子さん?

「私さぁ、何気にまだ蓮の事好きなんだよね」

―――ズキン

きっとどこかで恐れてた事。

私、勝てないよ…。

「柚子さ「沙羅ちゃんなんかに」……え?」

「沙羅ちゃんなんかに負けないから」

私、なんか?

「…はい」

返事しか出来なかった。

きっと、私から蓮がいなくなる。

蓮という存在が…。
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