それでも君が好きだから
「…蓮」

「ん?どうした柚子」

「…喉渇いたー。何か買ってきて」

「は?…しょーがねぇな」

相変わらず我侭だな。

まぁ良いけど。

「あっ、俺も行く」

優真と2人で自販に向かった。


「…なぁ蓮」

「ん?何だよ優真」

「柚子さん、気になんの?」

「何で?気になるつーか、久しぶり、って感じだけど?」

「本当にそれだけか?」

…何だよ。

「何が言いたい?」

「沙羅ちゃん、泣きそうな顔してた」

沙羅が?何で?

「…何でだよ」

「お前、分かってねぇな」

優真が呆れた顔で、溜め息をつく。

…むか。

「女の子は、彼氏が他の女と喋ってたら嫉妬するの、不安になるの」

「へぇ」

嫉妬?

「それにお前の元カノだろ?心配すんに決まってんじゃん」

「そんなもんか?」

「とにかく、お前にそんな気がないなら、さっさと元カノと別れろよ」

「…そんな気があったら?」

「は?」

「冗談だよ、怒んなって」
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