それでも君が好きだから
沙羅が嫉妬ねぇ。

今まで俺がしてた事だよな。

優真と喋ってんの見て、むかついたもんな。

女も同じなのか、勉強になったな。

「優真、サンキュ」

「?…おう」

俺達が戻ると2人が何か言い合ってた。

「おい、買って来たぞ」

「蓮」

「…っ蓮!」

2人が同時に俺を呼ぶ。

でも、沙羅の声の方が強かった。

そして俺に飛び付いてきた。

「沙羅?どうしたんだよ?」

「蓮っ…私…っ」

「沙羅ちゃん?」

柚子が沙羅を呼ぶ。

「…っ」

沙羅は怯えてる。

「さっきの話は私と貴方だけの秘密よ?」

「…っっ…」

「おい!沙羅に何を言ったんだ!」

「別に?あっそうだ、蓮。私、あんたの学校に転校するわ」

俺にしか聞こえないように、こっそり耳元で囁く。

「は?何言って…」

「じゃあ、これからも宜しくね♪」

何勝手な事…と、思ったが、俺は何も言えなかった。

それより沙羅の方が心配だった。
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