6月6日の学校




―登校中―


「ねぇねぇ咲兄。」


ちょんちょんと咲兄のワイシャツを掴む。


「何?」


咲兄は前を向いて答える。


「そろそろ歩かない?
時間も余裕だしさ。
裕輔待ってあげようよ?」


「ん、そだな。
歩いてたらあいつも追いついて来るだろうし。」


私達が自転車から降りて歩いたら暫くすると裕輔が到着した。


「はぁ はぁ はぁ―・・・
お前ら酷い。
酷すぎる。
とくに咲夜お前!!」


「まぁまぁいいじゃん。
追いついた事だし、ね?」


「桜お前もだいたい・・・」


ダダダダダダダダ―・・・


「ん?なんだこの地響き」


「裕輔の貧乏揺すりじゃねーの?(笑゙」


「誰がこんなでっかい貧乏揺すりするかよ!」


地響きはだんだん大きくなっていく。


「さーくーらーーー」


誰かが私の名前を呼ぶ。


声のした方を見ると砂埃をまってこっちに向かって来ている少女の姿があった。

よく見ると頭の右上に一束丸いボンボリの付いたゴムでくくっている。


肩まである髪を揺らして向かってくるのは・・・・・・


「蜜、おはよ」


キキィッ!と私の前でブレーキをかける。









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