ヤンデレ双子に愛されて


双子なのに――今まで色んなものを共有共存してこようとも、やはり兄にはかなわないと右桜は思う


――だって


「最高だね、それ。香我美が俺の中で“生きていける”なんて」


次元違いな頭をしているからこそ分かる素晴らしさ


持ち歩かなくても、一緒にいる方法


正しくは、一緒になれる方法だろうか


人間が食したものは、体内で血肉になる


分解され、必要な栄養素を吸収し、エネルギー源となるなど小学生でも分かることだ


その安易なる行程に基づけば、取り込んだ香我美が自分の体内でどうなるかなど明白


最高だよと、異常者(うおう)は拍手でもしたい気分になった


常軌を逸した異常者は愛を語る


ずっとそばにいられると喜びを語る


異常と何度も言うが、当人たちにはその自覚がない――いや、だからこそ


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