彼女の恋人
玄関を開けるとすぐ靴が目に入る、彼女の靴と…彼女のものではない靴。それを横目で見てから靴を脱ぎ部屋にあがる。向かうは寝室、物音がしないからまだ寝てるんだろう。





寝室のドアを開けると案の定布団に膨らみ、でもその大きさは明らかに一人分じゃない。何も言わず布団に近づき布団をめくり………布団を戻す。そこにあったのは彼女と彼女出はない人の裸。少し考えればわかったはずなのに、自分の浅はかさに頭を抱えてうずくまる

「ん…ぅん…」

布団をはがしたからか、彼女が目を覚ます。眠そうな目をこすりながら俺を見つけて微笑む

「ん…おはよう、啓」

「…おはよう」

「何うずくまってるの?」

「…なんでもないよ」

ぶっきらぼうに俺がそう言うと梓は少し考えてからニヤリと笑った

「見たんだ?」

「は、裸で寝てるのが悪いだろ」

「えっち~」

「なっ!!」

「うそうそ。しょうがないよ、性少年だもんね~」

今絶対青少年じゃなくて性少年って言った。なんとなくだけど

「とにかく、飯作るからさっさと起きて。……真咲(まさき)さんも起こしておいて」

「はいよ~。ご飯の前にシャワー浴びてこなきゃ、汗かいちゃったし」

梓の何気ない一言、その言葉で汗をかいた理由をちょっとだけ想像してしまった

「啓顔真っ赤、やっぱり性少年だね」

「うっさい!!」

梓にこれ以上顔を見られないようにそそくさと寝室を出る
< 2 / 4 >

この作品をシェア

pagetop