あなたへ捧ぐ愛の歌

-悠里-②

「……最低だよ…葵……」


ん……アレは……兵藤……??


もしかしてアイツ、俺に惚れてんのか?


「待って……っ!亜季……ッ!!!」


東条葵も焦ってるし……そうっぽいな。


でもここで逃がしたら……ッ!


「おい待てよ!!東条っ!!!」



俺はコイツの腕を掴んだ。


一瞬、東条は目を見開いて驚いていたがすぐにこっちを睨んできて、



「離して!!」


そう言ってきた。


「嫌だ」


てかまじコイツしぶといなぁ……。


ここまでしたら普通の女は俺に惚れるはずだぞ?



「私、亜季を追いかけるからッ!!!


あんたのせいで亜季と気まずくなったんだかッ――


んっ………」



俺はコイツにキス――してやった。


しぶといヤツはこうでもしないと俺に惚れないから。



そしてトドメに




「俺、お前が好きなんだよ……」



好きな訳ないだろ


バーカ。


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