恋愛成長記
――――――そうして、待ち望んだ4月・・・・
「・・・・・・・改めてみると・・・結構大きいんだ・・・」
2月に一度受験で訪れているものの、その時は緊張で校舎の大きさなどに感動している暇は無かった。何せ頭の中は、英単語や歴史でグチャグチャだったのだから。
見上げた際にずれた眼鏡を直しつつ、これからお世話になるであろう校舎を見つめる。
辺りにはこれから各自クラスに向かう自分と同じ新入生が、ひしめいていた。
この学校は自由な校風が売りで、髪色やピアスなどあまり注意の対象にならない。
逆に黒髪眼鏡の自分が目立つほどに、辺りは自由に制服を着て自分を着飾った生徒でいっぱいだった。入学初日から楽しそうな表情の同級生を見て何だか心も軽い。
―――さて、私もそろそろ教室に向かうとしようか。
そう思い、生徒の波に紛れて教室に向かおうとした・・・その時―――――
「・・・・サクラ・・・カザホさん?」
透き通るアルトの声色に、足が止まった。
声色だけが原因じゃない。問題は私の名前が呼ばれたことだ。
フと、躊躇いながらに振り向くと、そこには優しい声色とは裏腹な風貌の男の子が立っていたのである。
茶髪のウルフカット、両耳合わせて4つのピアスに、唇にも一つピアスがくっ付いたその男の子・・・・10人に見た目だけで判断させれば、10人全員に『不良』のレッテルを貼られること確実である。
・・・・・・誰だろうこの人・・・・?
名前を知られているにも拘らず、私は彼を知らない。
というより初対面だ。こんなに特徴ある人を忘れるはずが無い。
思い切って、訪ねてみようかとも思うが、思いとどまる。
もし彼の気に入らない問い方をしてしまったら・・・・・?
・・・・間違いない・・・今日から私の学校生活は地獄である。
「・・・・・・・改めてみると・・・結構大きいんだ・・・」
2月に一度受験で訪れているものの、その時は緊張で校舎の大きさなどに感動している暇は無かった。何せ頭の中は、英単語や歴史でグチャグチャだったのだから。
見上げた際にずれた眼鏡を直しつつ、これからお世話になるであろう校舎を見つめる。
辺りにはこれから各自クラスに向かう自分と同じ新入生が、ひしめいていた。
この学校は自由な校風が売りで、髪色やピアスなどあまり注意の対象にならない。
逆に黒髪眼鏡の自分が目立つほどに、辺りは自由に制服を着て自分を着飾った生徒でいっぱいだった。入学初日から楽しそうな表情の同級生を見て何だか心も軽い。
―――さて、私もそろそろ教室に向かうとしようか。
そう思い、生徒の波に紛れて教室に向かおうとした・・・その時―――――
「・・・・サクラ・・・カザホさん?」
透き通るアルトの声色に、足が止まった。
声色だけが原因じゃない。問題は私の名前が呼ばれたことだ。
フと、躊躇いながらに振り向くと、そこには優しい声色とは裏腹な風貌の男の子が立っていたのである。
茶髪のウルフカット、両耳合わせて4つのピアスに、唇にも一つピアスがくっ付いたその男の子・・・・10人に見た目だけで判断させれば、10人全員に『不良』のレッテルを貼られること確実である。
・・・・・・誰だろうこの人・・・・?
名前を知られているにも拘らず、私は彼を知らない。
というより初対面だ。こんなに特徴ある人を忘れるはずが無い。
思い切って、訪ねてみようかとも思うが、思いとどまる。
もし彼の気に入らない問い方をしてしまったら・・・・・?
・・・・間違いない・・・今日から私の学校生活は地獄である。