<実話>それでもずっと、大好き。
「オレもいーれて!」
『え…?』
笠原が、わざわざ自分の机を持ってきて、私の隣にくっつける。
「ちょっと笠原!何勝手に入ってんのよ!自分の班に戻りなさいよ!」
あゆみが文句を言っても、笠原は無視して給食に手をつける。
「いっただきまーす!」
クラス中の注目を浴びているというのに、笠原はガツガツと食べていく。
『か、笠原…』
「ん?保坂も早く食べろよ!」
『え?あ、うん…』
そうして、給食の時間は終わった。
笠原は私に笑顔だけ残して、自分の班に戻って行った。
クラス全員が不思議に思ったと思う。
笠原の突然の行動は、わけがわからない。
でも、1番わけがわからないのは私だと思う。
笠原は、赤茶のパーマという髪型で、整った顔をしている。
運動神経が抜群で、性格も明るくて元気。
なのに女の子に全然興味ない。
クラスの人気者で、変わり者だった。