<実話>それでもずっと、大好き。




 晴れて同じグループになり、正直私は嬉しかった。


あゆみがいる事、そして運動が苦手な事で重くのし掛かっていたプレッシャーが、だいぶ軽くなった気がする。


 午後グループで練習をしなかった笠原だが、
午前グループでは、ダンスをあっという間に覚えてしまった。

さすが運動神経が抜群なだけある。



 だけどどうしても気になる。


どうして笠原は、
グループを移動させられなければならないほど、練習をサボったのだろう。


午前グループに移ってきてからは、ちゃんと真面目に練習している。

なぜ、午後グループでは不真面目だったのか。
















 “笠原哲は、保坂未来が好きなんじゃないか。”




ふと、頭の中にその噂がよぎった。



そんなバカな。
まさかそんなことあるわけ…


ないよね?



なんだろう。



この不思議な感覚。

心臓の音がうるさいくらい体中で鳴っているのがわかる。



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