<実話>それでもずっと、大好き。




 そんな事があった翌日でも学校はあるので、私と拓也は重たい足を引きずって登校した。



 「よっ保坂!昨日のあれ見たか?」

『あ、笠原…昨日は…見れなかったんだ』

「まじかよ!昨日お前の好きなキャラがメインだったのに」

『嘘!!見たかったー!』

「だろ!じゃあそんな可哀想な保坂に、いい物を貸してやろう!」

『いい物?』

「放課後、楽しみにしてな!」

『?;』


そう言って謎を残したまま、笠原は自分の席に戻ってしまった。


なんなんだろうと思いながら、私は幸せを噛み締めていた。



 やっぱり私は、笠原の事がすごく好きだ。

ひとことでも話せば、昨日の事なんか吹っ飛んでしまう。


笠原の笑顔があれば、私は何も怖くない。

笠原がいてくれるなら、私は孤独でも構わない。


笠原はどうなんだろう。

あの噂も、私たちが自然すぎて消えてきている。

笠原の本当の気持ちが知りたい。

私の事をどう思っているのか。




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