<実話>それでもずっと、大好き。





 そして9月の終わり頃。

私は佑介に電話で告白し、つき合い始めた。


未和にはすごく悪いと思ったが、想いが止められなかった。



 私はこの時、団地の1室で1人暮らししていた。

1人暮らしといっても、晩御飯はすぐ近くにある実家へ行って食べていたし、もちろん部屋代は母が払っていた。



 なぜそのような事になったのかというと。

たかが団地の1室に祖父母と母、それに私と弟2人の6人で暮らすには狭すぎた。

だから実家がある棟の隣の棟に1室借りて、母と私と弟たちで住もうと決めた。


 だがその生活は長くは続かなかった。


母が彼氏を作り、あまり家に帰ってこなくなったのだ。


弟2人はまだ小学生なので、実家に戻る事になった。


私だけその、家族4人で暮らしていくはずだった部屋に残る事にした。



 寂しくないかとか聞かれれば、寂しいかもしれない。

まだ中2だったし、小さい頃から色々ありすぎた。


だけどだからこそ、私はもう独りが平気になっていた。





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