<実話>それでもずっと、大好き。




 「えー!?藤井知ってたの?うちらが藤井ん家に行ったの!」

『うん…;』

さっそく未和に話すと、当然驚いていた。


 何回も怖じ気づいて帰りたくなっていた私を、
叱咤してくれた未和。

(あの時未和には散々迷惑かけたからなぁ…;やっとインターホン押せたのに、藤井がいないってわかって呆れてたよね…;なのに…)

「でも、じゃあなんで出なかったの?未来だってわかってたのに出なかったのはおかしくない?」

『そうなんだよね…』

「ちゃんと聞きなよ!気になるじゃん!」

『うーん………』





 そして緊張しながらも翌日になったが、

1日中藤井との接点が全然なくて、話せずにいた。


 けれど放課後だけは違う。

藤井は教室の窓閉め係で、私は何回か手伝っていた。

そのうち気づいたら2人で窓を閉めるのが日課になっていた。


今日もいつものように窓を閉め、教室を出ようとしていた藤井を呼び止めた。


『ねぇ藤井!…なんで知ってたの…?;』


もちろん2日のこと。
藤井もすぐわかったらしく、ニヤリと笑う。


「なんだったのアレ」


『えっ!えーっと…や、今は言えない…;』


なぜかと言うと、
放課後だが、教室にはまだ数人残っていたのだ。





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