<実話>それでもずっと、大好き。



 それからしばらく、私は藤井に避けられ続けたが、頑張って話しかけていた。

藤井は猫のように気まぐれで、優しい時とそっけない時の差が激しかったが、
それでも私は頑張った。


 けれど…

結局告白は出来ないまま、刻々と卒業の時が迫っていた。

お互い受験については、面接だけの前期試験で合格していたが、もちろん行く高校は違う。

私は自分の生活リズムと家庭事情に合わせ、定時制に行くことにした。

もともと朝が苦手だし、長女ということもあり、早く自立したいと思っていたので、昼間に働きまくろうと決めた。

ちなみに未和も同じ高校の定時制に行くことになった。

佳歩は頭が良いので、少しレベルが高い高校。

うみは高校へ行かず、働く道を選んだ。


そして藤井は、普通の昼間の高校。


だから、卒業してしまったらもう会えなくなるのだ。


そう、笠原の時と同じ状況になってしまったのだ。




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