<実話>それでもずっと、大好き。




 本当は、バレンタインの時に告白しようと思った。

だけど出来なかった。

笠原の時と同じ状況だと思うと、あのバレンタインの嫌な思い出が頭の中を駆け巡り、勇気を出せなかった。


 本当に私は勇気がない。
自分でも嫌になるくらい。


 バレンタインが過ぎた頃には、もう避けられてはいなかったが、そこから1歩踏み出すことは出来なかった。


 気づけばもう卒業間近になっていた。


卒業式の練習、卒業アルバム作り、使っていた教室などの大掃除や次の3年生のための飾り付けなどで、忙しなく時間は過ぎた。



そして………




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