<実話>それでもずっと、大好き。
さすがは定時制、年齢が明らかに年上という人もたくさんいた。
同い年っぽい人も、なんだか不用意に話しかけていいのかわからない雰囲気を出していて、
だから教室も静かなんだと納得していた。
そんな時、トイレの前にあるラウンジらしき所に、女の子が1人くつろいでいた。
どこかのカフェみたいに、いくつものテーブルとイスが並べられているので、誰でもくつろいでいい場所なのだろう。
けれど今日は入学式。
恐らく同じクラスのその彼女は、まるで前からいる生徒のように見えてしまった。
見たところ、同い年ではない。
でもせいぜい1、2才年上だろうと思い、じっと見つめる。
白くて小柄で、胸あたりまである黒い髪はサラサラで、綺麗な顔をしていた。
パンツスタイルで足を組むその姿は、女の私が見ても綺麗だった。
『…あ、あの!同じクラスですよね!?』
美少女に目がない私は、思わず声をかけていた。
彼女はゆっくりこちらを見て、にっこり微笑んだ。
「うん、A組だよね?チョコあるよー♪食べる?」
それが高校での初の友達、鈴山良華(すずやま りょうか)との出会いだった。