<実話>それでもずっと、大好き。
15才の私から見て1、2才年上に見えた良華は、なんと4才年上の19才だった。
けれど気さくに笑って、タメ口でいいと言ってくれた。
「私背小さいしさーいつも幼く見られるんだよねー!もうすぐ20になるってのに、笑っちゃうよー」
話してみるとどんどん、良華は見た目通りの美人で、サッパリした人だとわかった。
彼氏もいてラブラブらしく、私はますます憧れを抱くようになっていた。
良華と共に教室へ戻り、しんとした中で普通に話し出すと、
周りの子達もそれぞれ友達を作り、だんだん賑やかになっていった。
しかも良華はその子達にも話しかけていて、
男子も女子も年齢も関係なく、教室の中心に輪が出来た。
良華のその力には、尊敬の眼差しを向けてしまう。
そして入学式のため、ホールへ移動した。
この学校は合併のために工事したばかりで、とても広くて大きくて綺麗だった。
受験の理由には、その見た目も含まれていた。
私は、入学式とは別の意味で緊張していた。
(………あ、いた…)
ホールへ入場する前に、先頭であるA組の後ろに並ぶB組の中で、笠原を見つけた。
すぐ見つけてしまう。
まるでレーダーがついているかのように。