<実話>それでもずっと、大好き。
『………か、笠原だよね?』
これが、私たちの再会の、第一声。
笠原がゆっくり振り向く。
間近で3年ぶりに見た笠原の外見は、だいぶ変わっていた。
顔は少し大人っぽくなっただけだったが、
短くて赤茶の天然パーマだった髪は、肩に届きそうなほど伸びていて、所々黒が混ざった金髪で、耳にはピアス。
大きめのサイズの学ランを、だぼだぼに着崩している。
その外見はいかにも、不良だった。
『わ、私のこと、わかる?』
震えそうな声を必死で抑えて、笑顔で話す。
「……あ、うん、わかる」
『ホ、ホント?よかった…久しぶりだね!』
「…うん…」
『…………』
(……ま、間が持たない…)
笠原は緊張しているのかなんなのか、お互い会話に困る。
『…あ、未和だ…!じゃ、じゃあまたね!』
そう告げて笠原に手を振り、未和の元へ駆け寄った。
3年ぶりだったのに。
なんでこううまくいかないんだろう。
『未和ぁぁ!』
「あ、未来!どしたの?」
未和にはもう3人の友達が出来ていた。
紹介してもらうと3人のうち2人は同い年で、可愛いけど地味そうな外見だった。
そしてもう1人は佐藤美沙(さとう みさ)。
セーラー服を着ていたので、21才という年齢にはかなり驚いた。
定時制は私服なため、こういうコスプレもありなのかと、頭の中で心得た。