<実話>それでもずっと、大好き。




 そんな複雑な家庭事情の中、

転校してきた小4の3学期に、慣れない環境で私はある人の存在を知った。


 それは、
笠原哲(かさはら てつ)という男の子の存在。


笠原は保育園からずっと一緒だったけど、小2の時に引っ越してしまったのだ。


その笠原が、この学校にいるという事がわかった。


ずっと気になってはいたものの、
小4、小5と同じクラスになれなかった。


 でも小6になった今、
やっと同じクラスになれた。


 勉強も運動も出来る人ばかりの中で落ちこぼれの私は、旧友がいるという事だけで安心出来た。


 そして私から、
保育園の時に一緒だったよねって話しかけたのがきっかけで、笠原はよく話しかけてくるようになった。


 昔から元気で明るくて、いつもみんなの中心にいた笠原。


私とは正反対で、ずっと憧れていた。


今では、男子の中で1番話していると言えるくらい、昔よりも仲良くなった。


馴染めないクラスでも、楽しくやっていけると思ってた。


だけど…………。




< 8 / 75 >

この作品をシェア

pagetop