<実話>それでもずっと、大好き。
そんな複雑な家庭事情の中、
転校してきた小4の3学期に、慣れない環境で私はある人の存在を知った。
それは、
笠原哲(かさはら てつ)という男の子の存在。
笠原は保育園からずっと一緒だったけど、小2の時に引っ越してしまったのだ。
その笠原が、この学校にいるという事がわかった。
ずっと気になってはいたものの、
小4、小5と同じクラスになれなかった。
でも小6になった今、
やっと同じクラスになれた。
勉強も運動も出来る人ばかりの中で落ちこぼれの私は、旧友がいるという事だけで安心出来た。
そして私から、
保育園の時に一緒だったよねって話しかけたのがきっかけで、笠原はよく話しかけてくるようになった。
昔から元気で明るくて、いつもみんなの中心にいた笠原。
私とは正反対で、ずっと憧れていた。
今では、男子の中で1番話していると言えるくらい、昔よりも仲良くなった。
馴染めないクラスでも、楽しくやっていけると思ってた。
だけど…………。