レヴィオルストーリー3
…とりあえず馬鹿はほっとこう。
そう考えたアレンは立ち上がると服を払い、城に戻ることにした。
当然の如くギルクもついて来る。
「なぁ、アレン」
「何だよまだ何かあんのか」
「いや…ジリルさんって何で来たのか知らないなぁって思って」
「…“様”をつけろ“様”を」
本人がいないにしろ失礼な呼び方をするギルクに、アレンは低く囁いた。
ギルクはまぁまぁ、とか言いながらそのまま話を続ける。
「あの人、一人で来てたよな。部下も連れずにこんな遠くまで…」
「あぁ、そうだな」
「なんでなんだ?」
「そんなのこっちが知りたい」
その素っ気ないアレンの返事に誰にもわからないのだとギルクは察し、それ以上は追及しなくなった。
夜道を歩きながらアレンは上を見上げる。
星が瞬く夜空には、徐々に暗雲が立ち込めてきていた――…